気功は嘘だ、そんなものは存在しないと断言する人はたくさんいます。私は気功というもの、或いは気功現象というものがある、という認識になってもう8年以上経過しているので、気功の存在を今更疑わない訳ですが、世の中の人の大半は、気功はない、迷信だ、嘘だ、或いは怪しいと思っている方だと認識しています。今回はこの点について私見を述べたいと思います。

 

まず、私の立場は、気功の存在を人に信じさせたいと思っている訳では無いことをハッキリさせておきます。気功は嘘だという立場の方がいらっしゃるのは全く普通ですし、間違っているとも思いません。気功を否定する立場を天動説に喩えて、いずれ地動説の正しさが証明される、と思っているのでもありません。

 

私自身、他の記事にも書きましたが、30年ほど普通に会社勤めをしてITや金融の仕事をしていました。この間、気功とは全く無関係です。その後会社を辞め、いろいろな偶然が重なって、母のがんの治療の「足し」として自分で気功に取り組み始めたのが55歳の時です。それも、気功の効果を期待する、というよりも、母の病気のために万策を尽くした、という、後悔しないための手段の一つとして取り組んだというのが動機です。

 

今でも、学生時代の友人や会社時代の友人・知人は、私が気功をしている、というと、あからさまに否定して来る人がいますし、自分自身も元々同じような考え方でしたので、無理はないと思うわけです。

 

こういう訳で、気功を否定する立場を否定する積りは全くありません。そして、気功のない人生で全く問題はありませんので、それで良いと思うのです。どんな信念を持つのも、思想・信条の自由として最大限に尊重されるのが良いと思います。

 

気功に対する批判の中で一番多いのは科学的に説明できない、ということだと思います。これは、科学の枠組みに近い方法で説明をしたり、最近では量子力学を用いた説明もあるようですが、多くの人が納得できるものではないのだと思います。納得できないものは軽々しく信じない、というのは精神の態度として良いと思います。

 

一つあるとすれば、科学的に説明できないことは存在しない、という論理は飛躍があると思います。科学で説明しきれることの方が少ない、というのは、科学者が実感として語られたりしますので、そういうことなのではないか、と私も思います。

 

私達は「意識」を持っていて、意識が私達の中心的な存在であると、直感的に認識していると思いますが、意識という現象を、科学的に取り出したり測定したりできません。しかし、私達は意識が存在していると思っており、私達の精神活動は意識の存在を前提に成り立っている訳で、科学的に説明できなくても、日々、運用して役立てることはできます。

 

気功という現象もこれと同じで、存在を科学的に取り出して測定したりできないが、役に立つように運用することはできるので、上手く利用すればよいと私は考えます。

 

気功には法則性があって、その法則を組み合わせると応用的な使い方を考えることができ、実行して検証すると考えた通りになることが多々あります。こういうことを繰り返し体験しているので、それを気功という現象として解釈するのが合理的である、と考えるようになりました。

 

この気功の法則を拡張すると、気功なんてあるはずがない、と信じる人にとっては、その信念と整合する世界が展開すると思います。ですから、気功は虚構である、と信じることも合理的であると思っています。