気功の初歩
ここでは気功のやり方の初歩ついてご説明します。
1.気の球を作る
まず左右の手のひらを向かい合わせにして、ソフトボールくらいの大きさのボールを両手で挟んで持っている形を作ります。そして、左右の掌や指から内側の空気を温めている、と想像します。そして手のひらの感覚に意識を集中します。
次に手のひらの間にある空気のボールをそおっと押す感じて手のひらをかすかに動かします。ほんのちょっとだけ押す。すると、その手のひらで囲んだボール形の空気から手のひらが押し返される様な感じを受けることができます。ちょうど、風船を少し押した時に風船の弾力性を感じる様な感覚です。いきなり出来なくとも、何回も繰り返すと、出来る様になります。この時、手のひらで何かをその弾力性を感じよう、と意識を協力的にすると早く感じることができます。
この押し返されるかすかな力を感じることができることが、気を感じたということになります。手のひらの間に実在するのは空気だけのはずですが、手のひらを押し返してくる「気の球」の存在を、手の触感として感じ取っている、そこに気の球がある、と五感を通じて感じている、ということになります。
これは元々、頭の中で想像しただけの気のボールが、触感を通じて物理的なものとして感じ取れる存在になっている、ということです。この感覚を一度味わうと、気の球が存在していることを信じるか信じないという状態から、いつでも存在させられるものという自明のことへと変化します。
2.気を出し、気を受ける
次に、気を出すことと、気を受けることの練習をします。
まず、右手を開き、5本の指先から気が出ている、というイメージを作ります。シザーハンズのようなイメージです。指先からなにかエネルギーがほとばしり出ている、という風に想像します。
そして今度は右手から出ているエネルギーを左手の手のひらで受けるようにします。右手の指先から出たエネルギーが左手の手のひらにぶつかる感じです。
この時、左手は右手からくるエネルギーが手のひらに当たるのを感じようと意識します。
右手の意識は指先からエネルギーを出している、です。
すると、左手の手のひらは、エネルギーが当たってかすかにピリピリするような感覚を感じ取れるようになります。
右手をゆっくりと振ると、左手に当たるエネルギーの感覚が右手の動きに従って動くので、より感覚を得やすくなると思います。これを、感覚が得られるまで、ゆっくりと繰り返し行います。
これでエネルギーが当たる感覚が感じられると、手から気を出している、手で気を受け取っている、ということが手のひらの触感を通して物理的な感覚として体験できます。
つまり、気を出したり、受けたりできるということが自明のことになります。
3.気にイメージを載せる
今度は二人一組で行うワークを説明します。
一人が手の指先から気を出し、もう一人は手のひらでそれを受けます。
気を出す人は指先から思い切り気を出しているとイメージし、気を受ける人は何か来ているはず、と手のひらの感覚に集中します。
そして、気を出す人は、真っ赤に焼けた溶岩がどろりと指先から流れ出ている、とイメージしながら気を出します。
気を受ける人は、受け取ったとき、どんな感覚がするか注意深く観察します。
次に、気を出す人は、冷たい氷水が指先からサラサラと流れていく、とイメージしながら気を出します。気を出す人は自分自身が寒くてこごえそうだ、という感じを持ちながらやるとよいと思います。
気を受ける人は、受け取ったとき、どんな感覚がするか注意深く観察します。
最初に受けた気と後から受けた気の感覚になにか差異が感じられれば成功です。
熱くて重いイメージと冷たくサラサラしたイメージまで受け取れれば素晴らしいですが、いきなりそこまでは必要ありません。違いが感じられればよいのです。
この違いは、気に載っている情報の違いです。つまり、違いが感じられたことで、気を出す人は気に異なる情報を載せることができた、また気を受け取る人は気から異なる情報を取得できた、ことになります。
このワークは場所を選ばず簡単ですので、興味があれば是非試していただき、こんな感じか、と思っていただければと思います。筆者の経験では、2時間ほどあれば、誰でも1.~3.を出来るようになります。20人ほど指導しただけですが、出来なかった人は居ませんでした。
さて、上に述べた一連のことがらは、実は気功の基本技術の全てを含んでいます。特に、3.はイメージを気のエネルギーに載せて他人に転送しているわけで、これは気功の施術そのものです。プロの気功師は、イメージの載せ方や転送の仕方についていろいろなテクニックを使えたり、経験が豊富だったりする、ということですね。
まとめ
1.気のエネルギーは手のひらの感覚として知覚できる存在である。
2.気のエネルギーは意識でイメージを載せたり、人に伝えたり受け取ったりできる。
3.気功の基礎は誰でも体感できる。