気功師として他人の病気を消したり、遠隔でエネルギーを転送する話しを多数いたしましたが、気功はそのように外部に働きかけるためだけのものではなく、自分の心身を整えて健康を保つ目的もあります。ここでは、自分の健康を保つための気功について説明します。

 

1.外気功と内気功

気功は大きく外気功と内気功に分けられます。外気功は私が実践してきたような、他人や物に対して気のエネルギーを送るためのものであり、内気功は自分の身体内の気のエネルギーを取り扱うものです。内気功の方が一般的ですし、取り組んでおられる人数も圧倒的に多いと考えられますので、本来、気功と言えば内気功を指すと言う方が適切です。

他人に気のエネルギーを送る時、内気功で養ったエネルギーを放出すると、自分の気のエネルギーが減ってしまい、健康を害することがあります。内気功が上達した場合でも、外気功を内気功の延長線上に捉えるのではなく、別途外気功を習うことをお勧めすることだけ、念のため記しておきます。

 

内気功に関しては、様々な教本がありますし、多くの教室もあって、それぞれの流派で細かい点は違うと思いますが、ここでは私自身が外気功に取り組む前の準備として実践してきたことを説明します。そして、別記事で、ご自分の気を練り上げる方法をご紹介します。

 

2.リラックスする

気功に取り組む前に、まず、身体を可能な限りリラックスさせます。

ここでリラックスする、というのは寝落ちするくらいのレベルまで身体を緩めるという意味です。そのためには、背もたれのある椅子か座椅子に腰を下ろし、目を瞑って呼吸をできるだけゆっくりにします。出来れば、部屋を暗めにします。照明を落とし、カーテンを引く等して、光を少なくします。この状態をできれば1時間程度続けます。

私が通った教室では、この間、シンギングボールが鳴って意識を整えてくれましたが、独りで実践するにはそこまでは出来ませんから、何も音をさせず、静かな環境を保ちます。

こうすると本当に寝落ちする可能性がありますから、目覚まし時計をセットしておくと良いと思います。

こうしてゆったりとした時間を過ごすと、意識はあっても、多少変性意識状態と言われる、やや意識状態が低下した状態になっていることと思います。そこまで行けば、リラックスの度合いは深まります。

そして1時間経過したら、今度はゆっくりと覚醒します。

いきなり立ち上がったりせずに、そおっと目を開き、ゆっくりと時間をかけて起き上がって行きます。

そして窓から光を入れたり照明を戻したりして、リラックスの時間を終了させます。

このようなリラックスする時間を1時間取るのは、難しいかもしれません。

その場合は、30分でも15分でもよいので、説明してきたようなやり方で、なるべく深いリラックスを得るようにしてください。

 

3.呼吸法

このリラックスする時間を過ごす時、呼吸を整えることが大切です。ゆっくりした呼吸にする、と書きましたが、それ以外にも工夫ができます。

まず、鼻で息を吸い、口から吐くことが基本です。深呼吸をする必要はありません。穏やかな、静かな呼吸を続けることが本筋です。

 

具体的な工夫として、息を吸う時間を短めにし、息を吐く時間を長めにします。5秒吸って20秒吐き出す、くらいのペースができるとよいです。1分間に3回以下に呼吸の回数を減らしていきます。最初から無理にやる必要はありません。無理に減らすとどこかで深呼吸したくなります。深呼吸を挟まなくても続けられる範囲で、呼吸の回数を減らせばよいのです。何回も練習する内に、1分間に2回以下にまで呼吸を減らすことができるようになるでしょう。

ある程度、できるようになったら、今後は逆腹式呼吸というのを試してみると良いと思います。

腹式呼吸は息を吸う時に腹を膨らまし、息を吐く時は腹を凹ませます。これは物理的に理にかなっているのですが、逆腹式呼吸では反対になります。息を吸う時に腹を凹ませ、息を吐く時に腹を張ります。不自然に感じられると思いますが、感覚としては、息を吸う時は肺をいっぱいにする感覚で行い、同時に横隔膜を上に上げます。息を吐く時は肺を凹ませ、腹を張り出すようにします。

この呼吸法は、変性意識状態を作り出すために有効な呼吸法です。

そして息を吸う時はスッと一瞬で息を吸い込み、フーっと時間をかけて息を吐きます。これができるようになるとリラックスと呼吸は十分なレベルです。