ミドリムシに関する実験結果
ミドリムシにエネルギーを入れると培養時間が短縮したりより活性化する可能性があるのではないかと考えて専用の宇宙アートを作り実験を行いました。しかし培養速度に関しては2回の実験を行いましたが特段の差異は見られず、エネルギーは培養速度に影響しないという結論で終了しようとしたところ、思いがけない効果がありました。
1.実験の動機
気功のエネルギーを病人に送ると、症状が消滅したり緩和したりすることがありました。これはエネルギーが生命現象に影響を与えていると解釈できます。そこで、不具合に対処するのではなく、より積極的にエネルギーを与えることで生命現象を伸長させることができるかもしれない、という期待で生命、特に植物に対してエネルギーを与えて成長が速くなるとか、より大きく育つとか、より多くの実を付ける、と言った効果が出せるのではないか、ということで4月末から畑に野菜を植えてエネルギーを転送することからスタートしました。
野菜の方は標本となる株数が少なすぎること、植えられた位置によって日当たりがかなり違うのでエネルギー以外の条件を同等に揃えることが出来ず、有意な結果を得られないことから早々に諦めました。
次に取り上げたのがミドリムシです。ミドリムシは動物と植物の中間的な存在の微生物ですが、光合成をするので植物に対する効果と通底するところがあり、また、生きたミドリムシが市販されていること、YouTube等で飼育の方法がいくつか紹介されていること、微生物なので、標本の数としては大量に存在することになり、少量の培養でも有意な結果が得られると考えられること、などから選びました。
ペットボトルに水道水を入れてカルキを抜き、植物用の液体肥料を少し入れてミドリムシの原液(薄緑色の液体で、中に生きたミドリムシが居る)を入れるだけで培養できることが分かりましたので、この方法で培養しました。
2.最初の実験
最初は極少量の肥料とし、エネルギーは専用の宇宙アートを製作して一つのボトルに転送し、もう一つのボトルには一切手を加えないこととし、日当たりの良い2階のベランダに置いて観察しました。1日1回ボトルを振って中身を撹拌し、同時にキャップを外して息を吹き込みました。5月23日にスタートし、6月12日まで行いました。
結果は、緑色が薄く現れるまで一週間程度を要し、エネルギーを加えた方が心持ち早く緑色が濃くなっていくように見えましたが、6月に入って早々にエネルギーを加えていない方も同じ濃さに追いつき、その後は多少緑色が深まりましたが、エネルギーの有無による差異は検出できませんでした。
3.2回目の実験
次は環境の異なるペアを作って実験しました。1つ目のペアは最初の実験と同じく日当たりのよいベランダに設置しました。2つ目のペアは家の裏手にある物干し竿にぶら下げました。この時期、早朝は直射日光が当たりますが、昼に向かって家の陰になり、そのまま夕方を迎えるという場所です。3つ目のペアは、室内に設置し、24時間LED照明で照らし続けることにしました。更に前回の実験と異なるのは、ペットボトルを1日1回振ったり蓋を開けたりすることなく、それぞれの場所に放置しました。室内のLED照射のものは、広口のガラス容器に透明なプラスチックの蓋を載せた形としました。また、最初の液体肥料の量を前の回の5倍程度入れました。
6月17日に実験を開始したところ、3日目には緑色にボトルが変色したのですが、エネルギーの有無に拘わらず同じ様に色が濃くなっていきました。LED照明の方は色が変わる速度が3分の1程度でしたが、こちらもエネルギーの有無に拘わらず同じ速度で変色していきました。6月20日頃には勝負あったで、培養の速度は肥料が十分にあれば差がつかない、という結果に終わりました。その後、実験標本をそのまま放置しておいたところ、ペットボトルのミドリムシは、ある時点から色が薄くなって元の透明の液体に戻っていきました。
これはボトルの蓋を閉めたまま放置していたため、エアレーションが行われず、光合成用の二酸化炭素が不足したか、或いは逆に酸欠になったかでミドリムシが消滅したものと思われます。特に、日当たりのよいベランダのものは素早くミドリムシが消滅しました。
ベランダに放置したボトル(1号はエネルギーを入れた方、2号は何も手を加えなかった方)
ところが、日陰に置いておいたボトルの内、エネルギーを入れたボトルだけ、緑色を保っていることが分かりました。
日陰に放置したボトル(3号はエネルギーを入れた方、4号は何も手を加えなかった方)
LEDを24時間照射したもの(E号はエネルギーを入れた方、もう一方は何も手を加えたなかった方)
上に掲載した写真は全て6月28日時点のものですが、3号ボトルと4号ボトルでは明確に差異が見られます。おそらく、ベランダに放置した1号2号に比べて、生育環境の悪化はゆっくりと進行したものと考えられますが、4号の方は殆ど1号2号と変わらない水準になっていますが、3号だけはまだなんとかミドリムシが持ちこたえていることが見て取れます。
因みに、今日、全てのペットボトルの蓋を開けてみましたが、どれも同じ固さで閉まっており、3号だけが緩かったということはありません。
4.現時点での結論
環境条件の違いが生育速度や生育環境の悪化速度に大きく影響していることが分かりました。その中で、エネルギーの影響があるとすれば、生育環境が悪化する中で持ちこたえる能力に影響を与える可能性がある、ということです。
再現できるか、改めて実験する予定で、もし再現すれば、エネルギーが影響した可能性が高いという結論が得られるでしょう。
ただ、のびのびと成長できる環境での成長速度の差はなかった、という結論になりました。